火力発電について

仕組みの説明

火力発電では、主に石炭や石油、液化天然ガス(LNG)を燃料に使用します。
液化天然ガスとは、「liquefied natural gas」のことで、太古の時代に生きていた動植物の死骸が長い年月をかけてできた、化石燃料の一つです。
燃料を燃やし発生させた熱で、ボイラー内を流れる水を沸騰させて、高圧の蒸気を作ります。その蒸気で、発電機につながっているタービンを回転させて、電気を作ります。




利点

LNGは産出地が世界各地にあり、その埋蔵量も多いので、輸入を安定的に行う事が出来ます。
石炭や石油に比べ、LNGは燃焼時に排出されるCO2を、約六割に抑える事が出来ます。
また、光化学スモッグなどの原因になる窒素参加化合物は、旧来の石炭発電と比べて約四割、大気汚染の原因になる酸化硫黄化合物は、排出量をほとんど抑えています。
火力発電は、他の発電方式よりも、より高い発電効率で発電をすることが出来ます。
発電所を建設する際、他の発電方式に比べて小さい環境負荷で建設する事が出来ます。
事故が起きた際にも、被害は局所的に留まります。
火力発電は、使用する燃料の量を調整することで、発電量の調整をすることが可能です。
季節や時間帯による電力の需要量に合わせて、比較的簡単に発電量を調整できるのは大きなメリットと言えます。


問題点

現在最も多く使用している燃料であるLNGは、他の燃料に比べて輸入の際のコストが高くなります。
主な燃料である石炭や石油の価格変動が激しいため、輸入先の国際情勢が悪化したり、かつての石油危機の様な状態になったりすると、燃料の調達が難しくなります。
近年では、二酸化炭素排出率低下に向けた改良が重ねられており、実際に排出量は少なくなってきています。 ですが,再生可能エネルギーを使用した他の発電に比べるとやはり二酸化炭素の排出量が多いのが現状です。
発電の燃料に、化石燃料を使用するので、今後の燃料枯渇の心配がされています。


補足説明

LNGは、マイナス162℃位まで冷却すると液体になります。その際、気体の時に比べて体積が約600分の1まで減ります。この性質を利用して、大量輸送や貯蔵にしています。
冷却し、液体にしたLNGは常温の海水で温めることで気化できます。その気化させたLNGを燃料に利用します。
そのため、LNGを運ぶ船は、その性質上魔法瓶のような構造になっています。空気が触れるだけでも蒸発してしまうので、運搬している最中も、マイナス162℃を維持しなければなりません。
インドでは、石炭火力発電所で排出された二酸化炭素を回収、リサイクルし、重曹に転換させるシステムが導入されています。
この回収システムは、低コストで高効率な回収を行える技術が導入されています。この重曹を販売し、その利益を利用して施設を運用しています。


火力発電の種類


汽力発電

蒸気の膨張力を利用した発電方法です。日本国内の火力発電として、主力となっています。重油やLNG(液化天然ガス)、石炭などを燃やした熱で高温・高圧の蒸気をつくり、この蒸気を使って蒸気タービンの羽根車を回し、タービンにつないだ発電機を動かし発電します。汽力発電では、比較的低温域での(600℃以下)熱エネルギーの利用となります。汽力発電の熱効率は40.6〜45.2%です。

ガスタービン発電

燃料を燃やしたときに発生する燃焼ガスを利用してタービンを動かします。燃料を燃やすと燃焼ガスの体積が急増するため、その圧力を利用して発電します。



コンバインドサイクル発電

ガスタービン発電と蒸気タービン発電を組み合わせた発電方式です。
圧縮した空気の中で燃料を燃やして燃焼ガスを発生させ、その膨張力を利用して発電機を回すガスタービン発電とその排ガスの余熱を回収して、蒸気タービンを回す汽力発電を組み合わせて発電します。コンバインドサイクル発電の熱効率は、47.2%です。
コンバインドサイクル発電は、小型のタービンと蒸気タービンによって構成されているので、運転・停止が短時間で容易にでき、需要の変化に即応した運転が可能になっています。